Singer-Songwriter · 千紘 Official

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商店街

セルフライナーノーツ

2024年11月頃に書いた曲です。
家の近くにある本屋さんが閉店したことを受けて書きました。
私は2024年3月に高校を卒業して、すぐに東京へと引っ越してきました。上京したての頃、友達も知り合いもおらず、ひとり寂しく暇な時間を過ごしていました。普段は本を全く読まないのに、そのとき何を思ったのか近くの本屋さんへミステリー小説を買いに行って家で読んでいました。
そんな思い出のある本屋さんが2024年の秋頃に閉店しました。商店街のたくさんお店が並ぶ中から、たった1店舗が閉店しただけ。ただそれだけのことなのに、当時の私にはすごく寂しいことに思えました。

今思うと、自分の中でうまく言葉にできない諦めや喪失などの感情をこの街の風景に投影していたり、寂しさが過去の記憶が引き出したのだと思います。だからこのような、悪い言い方をすると散らかった歌詞になったのだと思います。

似合わないと思って避けてきたこと、本当は好きだったのに自分から手放してしまったもの。変わってしまった街並みを見ながら、自分の中の変化や失ったものに気づかされました。

「この目がひらいている 耳も聞こえている
感じられる温もり 確かにあるのに
諦めちゃいけないな 人を 生きることを
私には会いたい人がいる」

生きていくなかで、見えているもの聞こえているものを無視してしまったり、人や生きることに対して諦めたくなる瞬間が私にもありました。でも、この曲を書いていくうちに、失ったものばかりではなく、手にしたもの受け取れたものがずっとそばにあったことに気がつきました。だからきっと、そういうものを大切にしながら、会いたい人のことを考えて生きていけば、自分のことも大切にできるんじゃないかなと思っています。

そうやって少しずつでも進んでいけますように。

歌詞

商店街の本屋さんが いつの間にかなくなっていた
この街に住み始めた頃 何度か行ったっけな

ひとりの寂しさ紛らわすため 柄にもなく本を買って
夢中になって読んだミステリ 結末はなんだっけ

いつからだろうか 似合わないものを避けてきた
忘れたこと 失ったものはきっとそこに

泡がはじけたような 瞬間的なできごと
日を追うごとに弱さを隠せなくなっていく
大人になったら強くなれると思っていた
私まだ大人になれてないみたい

商店街を歩くたび 閉じ切りのシャッターが
目について寂しくなる 鈍色に組まれた足場

いつからだろうか 終わりばかり気にして
手にしたもの 受け取れたものはずっとそばに

霧の晴れない道を歩く 靴擦れが痛い
日を追うごとに涙を隠せなくなっていく
人に頼ってばかりじゃいられないよな
私もう自分の足で歩かなきゃ

自分に課したプレッシャーに潰されて
ざらつく心 逆撫でされても ここで歌う

この目がひらいている 耳も聞こえている
感じられる温もり 確かにあるのに
諦めちゃいけないな 人を 生きることを
私には会いたい人がいる

作詞作曲/千紘

収録CD